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予期不安とは?【4つの対処法で克服!症状や原因も徹底解説!】

<監修医師 春田 萌>
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予期不安という言葉をご存じですか?とっさに分からない方も、症状や原因を知ると「ああ、こういう状況ね」と納得する非常に馴染みのある症状です。

今回はこの予期不安について、対処法や症状・原因も含めて解説します。

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予期不安とは?

 

まずは予期不安とはいったいどのようなものかを解説します。

 

予期不安とはこんな症状

予期不安とは、過去の経験から「もしあんな状態が再び起きたらどうしよう」と極度な不安を覚える状態を指します。

 

人間は学習する生き物として認識されていますが、まさしく過去の経験から「不安」を学び取った結果、発作が起きる前から不安や恐怖に苛まれ心身を摩耗してしまう予期不安を生み出してしまうのです。

 

パニック障害とは

パニック障害とは、「パニック発作」「広場恐怖」「予期不安」を引き起こす不安神経症の一種です。

「人混みの多いところで突然動悸や目眩が激しくなった」(パニック発作)

→「人混みにでると発作が起きるからやめよう」(広場恐怖)

→「また人混みで目眩が激しくなったらどうしよう、そのまま気を失って事故に遭ったらもう助からない」(予期不安)

というように、3つの症状が絡まり合いながら心理的負担となり、悪化するとうつ病を発症してしまうこともあります。

 

予期不安は治るの?

予期不安は残念ながら完全に治るとは言いきれません。なぜなら誰しもが「もし、今こんなことがおきてしまったら」という不安を覚えることがあり、それ自体は悪いことではないからです。

 

不安から逃れるための策を講じるのが人間です。ですから、予期不安を悪化させないように、その特性や原因を知りうまく付き合っていくことが必要になります。

 

予期不安の症状はコレ

 

具体的には予期不安がどのような症状を引き起こすか解説します。

 

発作を起こすことへの恐怖

様々な原因により苦しい思いをした経験は、やがて「またあんな目にあったらどうしよう」という不安に繋がります。

さらに予期不安を抱えている際にふとしたきっかけで発作が起きると、「やはり心配したとおりの現実になった」と関連づけて考えてしまいがちです。

その結果、「苦しい経験をする」→「予期不安が起きる」→「発作がまた起きる」という苦しいループに繋がりやすくなります。

 

発作を起こした結果引き起こされる状態に対する恐怖

「発作を起こしてしまうかも知れない恐怖」ももちろんですが、予期不安を起こす人は主に以下のような恐怖を抱えていることが多いのです。

当てはまる項目が多ければ多いほど、予期不安を招く傾向が強いとも言えます。チェックしてみて下さい。

✅ 今度こそ死んでしまうのではないか

✅ 誰かに迷惑をかけるのではないか

✅ 自分一人のときに発作が起きて助けてもらえないかもしれない

✅ 事故を起こすのではないか

✅ 息が出来なくなったらどうしよう

✅ 気を失ってしまったらどうしよう

✅ 一生治らなかったらどうしよう

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予期不安の原因

 

予期不安の根底には「経験」「連想できる恐怖」があります。特に予期不安の原因となりやすい事柄について解説します。

 

パニック障害

先ほども説明したとおり、動悸や目眩、息切れといった神経症状が出る状態を指します。

何度かパニック障害を起こすことで「○○というシチュエーションで自分はパニック発作を起こすに違いない」と自分の中で関連付けてしまい、極度の恐怖を抱くようになります。

 

過呼吸症候群

過呼吸とは過度に酸素を吸いすぎてしまう状態です。一度経験してしまうと、その苦しさやパニックをなかなか忘れられず、「また発症したらどうしよう」という不安に苛まれるようになります。

 

心臓神経症

交感神経にストレスなどの心因が加わることで動悸が激しくなる症状です。

死に至ることはありませんが、やはり心臓という身体の中でも重要な臓器に痛みを感じてしまうので、「もしかしてもっと深刻な病気なのかも」という不安を抱きやすくなります。

 

乗り物恐怖

「バスはどうも苦手」「飛行機だけは乗れない」といった、特定の乗り物が苦手な人は多いのではないでしょうか。

その多くは乗り物酔いを危惧したり、交通事故が心配だったりと、様々な不安が原因です。そしてこの不安が極度に高まることで、予期不安となるのです。

 

留守番恐怖

家族が全員出払い、ひとりで留守番をしていると普段は気にならない些細な物音がやけにきになったりしませんか。

また、「一人きりしかいない」という状況下でもしも問題が起きたら誰も助けてくれないという心理状態に陥り、極度に緊張が高まると予期不安が引き起こされます。

 

閉所恐怖症

留守番恐怖とは異なり、「狭いところに閉じこめられた」ことによる不安の一種です。「このまま誰にも気付いて貰えないかも」という不安がその根底にはあります。

 

高所恐怖症

閉所恐怖症と同じく、「こんな高いところにいたら間違って落ちたら死んでしまう」という想像により不安を感じてしまいます。

 

不眠症

精神的な不安自律神経の乱れから不眠症を発症すると、どんどんネガティブな思考に傾き予期不安を発症しやすくなります。

不眠症の治し方についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
不眠症の治し方全集!【この食べ物でぐっすり快眠!】

 

嘔吐恐怖症

パニック障害と同じく、過去に嘔吐した経験から、「嘔吐する」という症状に対して不安を感じる状態です。

 

抑うつ神経症

うつ状態になると、絶えず様々なことが気になり不安に苛まれます。

抑うつ神経症はうつ病とまでは行かずともその一歩手前の状態で、予期不安などの症状に精神的疲労を感じ、いつまでも解決されないとやがてうつ病を発症します。

 

対人恐怖症

人との会話や関わりが怖い場合、苦手意識をいつまでも克服できずに対人恐怖症を発症し、やがて自宅などに引きこもる場合があります。

また人が信じられなくなる症状についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
人間不信の症状を診断チェック【この克服法を試してみて!】

 

書痙

「肝心な場面で手が震えて字が書けない」という経験はありませんか。そしてその経験のせいで、「重要な場面で書くことを避ける」という人がいるかも知れません。

これもあまりに不安が高じるとやがて「字を書かなければいけないかも」という段階で予期不安におそわれるようになります。

 

赤面症

「顔が赤いけど大丈夫?」と声をかけられ、ますます顔が赤くなったことはありませんか?自分でも自覚していて、さらに他人から指摘されるとますます赤面してしまい、それが精神的に負担となるという人もいます。

 

疾病恐怖症

「癌になったらどうしよう」「もしも肝炎になったら怖い」というように、疾病に罹患することをおそれるあまり、予期不安に襲われることがあります。

 

心配性

ここまで様々な不安予期の原因について取り上げてきましたが、どの症状も必ず予期不安を引き起こすわけではありません。

特に「心配性」を抱えている人ほど不安を増幅させやすく予期不安を発症させやすいと言えるでしょう。

 

依存性のあるもの

タバコやアルコールには依存性があることは広く知られています。

鎮静薬や精神に作用する薬の中には、アルコールと一緒に摂取することでおもわぬはたらきを体内で引き起こすこともあり、それが予期不安に繋がることもあります。

 

また飲酒や喫煙だけではなく、嗜好性の強いコーヒーや紅茶などカフェインが含まれる飲み物にも注意が必要です。カフェインも摂取が途切れると「欲しい」という欲求が湧き、さながら薬物依存のような状態に陥るのです。

 

何事も中庸が肝心ということです。

 

人や物に依存してしまう心理についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
依存体質チェックまとめ【意外な原因と治し方も徹底解説!】

 

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予期不安の対処法

 

予期不安は治そうと思ってもなかなか簡単にはいきません。

しかし対処法を知っておくことで、徐々に予期不安と付き合う術を身につけることはできます。どのようにして対処していくべきか解説します。

 

客観視する

予期不安は「死にそうな目に遭った」「今度こそ死ぬかもしれない」という不安から発生するものです。

しかしパニック障害を例にとって考えてみると、「死ぬほど辛い」という心理状態に陥ったとしても「死ぬわけではない」ということが、客観的に見ると分かります。

 

また「車を運転中に発作が起きたら死ぬかも」という不安に覚えながら車を運転するよりは、「運転中の発作が怖いからバスに乗ろう」というように、対処方法について考えた方が精神的には落ち着きます。

 

「怖い目に遭うのは仕方ないから、対策を考えよう」と思考の指向性を変えることで精神的負担を減らし、予期不安に陥る材料を減らしていくのが最も肝心です。

 

薬物療法

心療内科あるいは精神科では、予期不安に対して抗不安薬SSRIを処方します。

これは、ネガティブな思考に陥りそのまま膠着してしまうのは脳内の神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの分泌に異常が起きるからだとする脳科学的見地からです。

ただし全ての原因が脳内物質にあるわけではなく、もしも別の要因でパニック障害が起きている場合は、逆に薬物療法は身体に害を与えます。薬物療法を用いる際は、慎重な検討が必要です。

 

腹式呼吸

過呼吸症候群や動悸や目眩など、息苦しさを覚える症状が起きた場合は腹式呼吸で発作を治すことができます。

予期不安は前触れなく起きる自律神経の乱れにより取り返しのつかない事態に陥る事への恐怖が多分に含まれています。

つまり、これらの息苦しさを感じた際に対処する術を身につけておくことで、物理的にも精神的にも楽になれるというわけです。

 

精神を安定させる効果のある腹式呼吸の方法は以下の通りです。

1. お腹に手を当て、しっかり凹むまでゆっくりと口から息を吐き出す

2. お腹にこめていた力を抜き、自然と空気を吸い込む

3. ふたたび1から繰り返す

意識して行うことで呼吸はもちろん、精神的な安定を取り戻すことが出来ます。

 

腹式呼吸についてくわしくはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
横隔膜の場所はココ!【収縮させる呼吸法をしっかりマスター】

 

ツボ

不安を感じたときに、平常心を取り戻せるツボがありますので、そのツボを刺激しましょう。

【手心】(しゅしん)

片手を握ると、薬指がてのひらのある部分に当たります。ここが手心です。

もう片方の親指で、心地よい刺激を感じる程度の力をこめて押しましょう。不安を抑えることが出来ます。

また日頃からツボの位置を把握しておき、「何かあってもツボを押さえれば大丈夫」と自分の心のよりどころにしておけば、予期不安に対する備えになります。

 

精神的な苦しみはなかなか他人には理解しがたく、本人もどうすればいいのか分からずその苦痛が長引きます。

単なる「不安」が「的中」しないように、予期不安について正しく知り、対処法を心がけておきましょう。

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